【アートでナイス】鎌倉で内藤礼展、そしてイギリス版画。

初春の鎌倉へ行く。

まだまだ鶴岡八幡宮への初詣客も多い時期。

境内で結びつけられたおみくじの多さに、

いろいろな人の新年へのさまざまな願いを感じる。

そして、八幡宮横の神奈川県立近代美術館鎌倉では、

内藤礼「すべて動物は、世界の内にちょうど水があるように存在している」展が開催中。

境内の賑わいとは別世界のような静けさ。

「地上などんなところだったか」は、展示ケースの中に

ポツンポツンと布が敷かれ、さらに聖なる雰囲気の照明

天上からは風船が下げられ、

そこここにはガラス瓶に入った水が世界のギリギリのところで張っている。

表面張力ってすごいなあと感じる。

溢れているのに溢れない。

この展示では、二つある壁際の展示ケースに、

一度にひとりだけ入ることができる。

薄くらい展示室の中の展示ケースの中で

電球光で一緒にぼんやりと照らされている自分。

境界がぼけてくる。

あっちなのかこっちなのか。

中庭には、中空から白く長い2本のリボンが垂らされて風に揺れている。

長さ8メートル弱のリボンは、とどまることがない。

世界をやさしくなでるように、待っている。

折よく、青空には、2羽の鳶が輪を描いていた。

ここから、あそこまでつながっているように。

清められる時間だった。

さらに別館のイギリス版画展にまで足を伸ばす。

ブレイクもよかったが、ホガースの「遊女一代」や「放蕩一代」の連作版画は

人物の喜怒哀楽が豊かで、物語も劇的。

今時の連続ドラマを見るよりは、よほど面白い。

貴族の転落、なんてあたりが、気持ちいいくらいに描かれている。

さらに、ヘンリー・ムーアの「ストーンヘンジ」。

独特なフォルムで知られるこの彫刻家の連作の版画。

石なのに、湿り気がある質感。

呼吸している感じがする。

彫刻家にとって、石も裸体も、同じ対象物なんだなあと深く感じる。

今年最初にみた展覧会はとても心に残るものに。

この調子で、今年もナイズデイズ!

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