箱根湯本にある平賀敬美術館へ。
この日はあいにくの雨でしたが、井上馨や犬養毅も逗留した国の登録有形文化財という建物だけあって雰囲気はたっぷり。
隣の萬翠楼福住の別荘だったというのも頷ける佇まい。
平賀敬が晩年を過ごしたこの邸宅を美術館として、2005年にオープン。
美術館に入ると幸夫人が出迎えてくれ、館内を案内してくれました。
平賀敬の絵が壁に飾られている居間で以前放送された番組のビデオを拝聴。
お茶にお菓子まで出していただいて、冷たい雨で冷え切った体も温まります。
この美術館には自然湧出で有名な温泉もあり、入りたいところ。時間がなくて残念。
加温や加水がいっさいないまさに源泉かけ流し。
見せてもらった浴室ではこんこんとお湯が溢れ出ていました。
それにしても平賀敬の絵は、どれも心に馴染むものばかり。
心の内面のさらに裏側を白日のもとで開けっぴろげにしている様が、心地良いです。
石の蔵に展示されていた「大観先生のいる風景」では襖に描かれたサクラも花びらの一枚一枚まで感じられます。
サクラが孕んでいる狂気が、鮮やかに心に残ります。
さらに、昨年の没後十年展直前で見つかったという、仏を描いた版画や、マグダラのマリアを描いた版画について、幸夫人が「『こんな絵も描けるんだよ』と私に見つけさせたんですよ」とお話を。
とても居心地の良い空間と時間に、心が開いていくのを感じます。
その開いたところに、すっと絵が入り込んでいるような。
そして、この美術館で販売されているアートTシャツは、ビーナイスでもいろいろとお世話になっている、東中野のビタミンTeeさんで作られたもの。
観終わったときにはいただいたポストカードは、
幸夫人がとても気に入っていると話を伺った絵のもの。
今も机に飾ってあります。
平賀敬美術館のサイトは、こちら。