国立劇場へ行く。
最近、能やら文楽やら、日本の古典芸能にはまってしまっているのだが、
今回の目的は、歌舞伎鑑賞教室。
実は、歌舞伎はほどんと見たことがない。
特に理由はないのだが、なかなか縁がなかった。
なので、国立劇場も小劇場に文楽は見に来くるだけ。
やはり、ひろい。
そして見やすい。
そして、今回は、歌舞伎鑑賞教室というだけあって、
演目についても、歌舞伎役者の中村亀鶴さんが分かりやすく解説を。
外国人率がとても高かったが、お客さんをステージに上げ
見得の切り方を教えるなどのコーナーも。
そして、一部、写真をとってもよいというサービスもあった。
こんな感じ。
そして、今回の演目は、歌舞伎十八番「矢の根」と藤娘。
市川男女蔵と、中村梅枝が、それぞれ初めて演じるものだそう。
見た目からして華やいでいる。
「矢の根」は、市川家ゆかりの演目の「歌舞伎十八番」の一つで、
この日も団十郎が監修。
隈取の化粧に、車鬢のかつらで、曽我五郎の快男児振りの「荒事」を披露。
兄十郎を救うために、馬に乗った五郎が、大根を鞭代わりに花道を引き上げていくラストでは、やんやの拍手喝采。
さすが、お江戸のエンターテインメントだ!
一方「藤娘」は、一瞬の暗転から、舞台一面の藤の花。
長唄、鳴物が三十人近く居並ぶ中、
「藤の精」が、萌黄、藤、赤と衣装を次々とかえ、艶やかに躍る。
まさに、夢幻の世界。
と、何やら記憶がフラッシュバック。
「国立劇場で、一面に埋め尽くされた花」を見たことがある。
そこで、躍る人たちも。。。
二十年程前のことだ。
ピナ・バウシュとヴッパタール舞踊団。
一面に埋め尽くされていたのは、「カーネーション」だった。
あの時は二階席から見た。
しかも、ぎりぎりに駆け込んだか、少し遅れたか。
でも、強烈な印象が刻まれた。
そしてこのドイツの舞踊団の振付家、ピナ・バウシュ。
二週間前に訃報をきいた。68歳。
2008年3月にも来日公演があったようで、日本にもファンが多かった彼女。
6月21日に新作を発表したばかりだったらしい。
こんな時に国立劇場にいるのも、縁だ。
「藤娘」を見ながら、二十年前に舞台に見とれている自分を探していた。
時間も空間も越え、人の心に残る「舞踊」、ナイス!